離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
ザラの言葉にジェニットは顔を上げた。今日はモミ葉香水を売るために来ているのだ。過去の失態を今は置いておく。
ここでしくじったら、生産量を8倍に増やしたモミ葉がゴミになってしまう大博打の日だ。
ザラの微笑と激励に、ジェニットは大きく深呼吸した。両頬を両手でパンと打って、気合を入れて立ち上がる。
「ジェニット、香水を売ります!」
「よし、行くぞ。ジェニット」
「はい!がんばります!」
大きな声で威勢の良い返事が小気味よく、ザラとジェニットは王城に足を踏み入れた。