愛した人は剣奴だったから
ルーダはドレスの裾を自らまくりあげると、豊満な体をねっとりと押しつけていった。レンシーの股間に手を添えて誘惑するようにして彼の膝に乗る。
(やだ。駄目よーー!)
声にならない悲鳴が喉を締め付けていく。泥に塗りつぶされていくような息苦しさを感じていた。胸が軋み、悔しさと共に気持ちが砕け飛ぶ。
(レンシー! やめて!)
いつか見た夢にとてもよく似ているのだが、あの時以上にアデリアの心は大きく軋む。
ひりついた咽の奥が燃えるような痛みを感じ、心の奥底が粘ついている。
(やめて! なぜ、あなたは、そんなことをするの!)
ドクンドクンと、身体の芯から苦い波が込み上げてくる。思わず、二人のいる方向に向かって走り出していた。真っ赤な怒りが破裂するかのように膨らみ、悲しみと怒りが湧き上がり全身の血が脈打っている。
自分でも、湧き上がる強い感情を抑えることが出来なかった。
「あなた達、そんなところで何をやっているのよ! バカバカ! バカ!」
酒壷をルーダに投げつけよう腕を振り上げていく。怒りのすべてをぶちまけようとしていた。咄嗟に、レンシーがルーダを庇い背中で壷を受けようとする。
素焼きの壷は浮き彫りを施した石の壁にぶち当たった。それは、レンシーの足元に砕け散っていく。ルーダに当て損ねてしまい、アデリアは悔しくてたまらない。うおーっとルーダに掴みかかろうとする。
「アデリア! やめろ!」
完全に理性を失い激高しているアデリアを、レンシーが強い力で引き離していた。そして、そのまま噴水に顔ごと突っ込んでいる。
「おまえ! 自分が何をやっているのか分かっているのか! ここをどこだと思っているんだ!」
噴水にアデリアを残したままルーダの元に戻る。
レンシーは彼女の前で土下座している。手をついたまま必死な顔で謝罪している。
「許してやってくれ。あいつは頭がおかしいんだ。だから、オレが見張ってなきゃならないんだ。一人にしておけない」
ルーダは、レンシーの態度に少し驚きながらも高慢な表情でアデリアを一瞥している。
「フン、どうやらそのようね。野良犬みたいな子だわ。いきなり吼えて襲いかかってくるんもの。困ったものね」
ルーダは髪の乱れを整えながらクスッと馬鹿にしたように唇の端を歪めた。
「それじゃ、責任を持って馬鹿な子の面倒を見てやってちょうだいよ。興醒めだわ。あたしは、もう寝るわ。レンシー、あなた、なかなか勃たないんだもの。見かけ倒しね」
ルーダが立ち去る様子をアデリアは見つめていた。自分では気付かなかったが目を真っ赤にして泣いている。
「うっ……。ひっく」
(やだ。駄目よーー!)
声にならない悲鳴が喉を締め付けていく。泥に塗りつぶされていくような息苦しさを感じていた。胸が軋み、悔しさと共に気持ちが砕け飛ぶ。
(レンシー! やめて!)
いつか見た夢にとてもよく似ているのだが、あの時以上にアデリアの心は大きく軋む。
ひりついた咽の奥が燃えるような痛みを感じ、心の奥底が粘ついている。
(やめて! なぜ、あなたは、そんなことをするの!)
ドクンドクンと、身体の芯から苦い波が込み上げてくる。思わず、二人のいる方向に向かって走り出していた。真っ赤な怒りが破裂するかのように膨らみ、悲しみと怒りが湧き上がり全身の血が脈打っている。
自分でも、湧き上がる強い感情を抑えることが出来なかった。
「あなた達、そんなところで何をやっているのよ! バカバカ! バカ!」
酒壷をルーダに投げつけよう腕を振り上げていく。怒りのすべてをぶちまけようとしていた。咄嗟に、レンシーがルーダを庇い背中で壷を受けようとする。
素焼きの壷は浮き彫りを施した石の壁にぶち当たった。それは、レンシーの足元に砕け散っていく。ルーダに当て損ねてしまい、アデリアは悔しくてたまらない。うおーっとルーダに掴みかかろうとする。
「アデリア! やめろ!」
完全に理性を失い激高しているアデリアを、レンシーが強い力で引き離していた。そして、そのまま噴水に顔ごと突っ込んでいる。
「おまえ! 自分が何をやっているのか分かっているのか! ここをどこだと思っているんだ!」
噴水にアデリアを残したままルーダの元に戻る。
レンシーは彼女の前で土下座している。手をついたまま必死な顔で謝罪している。
「許してやってくれ。あいつは頭がおかしいんだ。だから、オレが見張ってなきゃならないんだ。一人にしておけない」
ルーダは、レンシーの態度に少し驚きながらも高慢な表情でアデリアを一瞥している。
「フン、どうやらそのようね。野良犬みたいな子だわ。いきなり吼えて襲いかかってくるんもの。困ったものね」
ルーダは髪の乱れを整えながらクスッと馬鹿にしたように唇の端を歪めた。
「それじゃ、責任を持って馬鹿な子の面倒を見てやってちょうだいよ。興醒めだわ。あたしは、もう寝るわ。レンシー、あなた、なかなか勃たないんだもの。見かけ倒しね」
ルーダが立ち去る様子をアデリアは見つめていた。自分では気付かなかったが目を真っ赤にして泣いている。
「うっ……。ひっく」