緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)

エレベーターの中での告白

<エレベーターの中の告白>
終わった・・

リリカは足を引きずるようにして、エレベーターホールにたどりついた。

「リリカ、どうだった?」

廊下で待っていたアレクサンドラが、リリカに抱きついた。

「ううん、タブレットが動かなくて。ちゃんと言えなくて」

リリカは緊張が解けたのか、
疲れが声ににじんでいる。

「アレクサンドラ、一緒に帰る?」

「ゴメン、ダーリンを待っているから、先に帰っていいよ」

アレクサンドラはそう言って、
下階に行くエレベーターボタンを押した。

「1階で降りれば、ニンゲン界にいく通りに出られるよ」

リリカは力なく、うなずいた。

「わかった。んじゃ、バイバイ」

そう言って、
エレベーターに乗り込み、なかば扉が閉じられる
その瞬間、緋色の翼が飛び込んで来た。

リリカがすぐに反応して、隅に飛びのいた。

エレベーターの扉が完全に閉まり、振動と共に下がり始めた。

サリエルが、壁に寄りかかり、
リリカに微笑んだ。

「ああ、お疲れさま。僕も急ぎでね。
ニンゲン界に戻る用事があって」

リリカは黙って、軽く会釈をした。

「もし良ければ、送っていくけど?」

サリエルは、ポケットから車の鍵を取り出した。
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