報われたい独占欲は、狂気のソレ
長谷川奏人も『奏人』だ。
それに、この木崎社長は長谷川奏人に面影が似ているように感じる。良く見ると目元とか、そっくりだ。
「あの……『奏人さん』とは、さきほどの男性ですか?」
確かめたくて問いかけると、木崎社長は『そうだよ』と頷いた。
「彼は私の甥でね。私の兄の子なんだ。嫁が木崎家で一人っ子だったために私は嫁の性に変更したから『長谷川』じゃなくて『木崎』になったんだけどね。とまあ、そんなことはどうでもいいとして、奏人にはこの会社を継いでもらいたいなんて思ってるんだよ。奏人と仲良くしてくれたら嬉しいな」
ハハッと笑う木崎社長。木崎社長は当たり前だけど、甥である長谷川奏人を溺愛している様子だ。
分からない、『長谷川奏人』という人物が。
私の家柄はお金持ちというわけでもないし、膨大な土地や資産があるわけでもないし、私を調べ上げる理由はない。
彼の、私に対する目的が分からない。