報われたい独占欲は、狂気のソレ
「……で、川口さんはデザインの部署を希望していたね。ちょうど空きが出ているから、希望の部署に配属できるよ。今日のことは加藤に引継ぎをしているから、後のことは加藤に聞いてね」
「はい、ありがとうございます!」
加藤さんという女性の人が社内のことを教えてくれた。この会社でずっと働きたかったデザイン部署。そこには長谷川奏人もいて、目に通したと思われる書類を返している最中だった。
「ここの部署で一番偉いのはあの長谷川さんだよ。怒ることもない人だから働きやすいと思う。でも、一つ忠告があるの。女性社員のほとんどが長谷川さんに好意を持っているけれど、あの人には期待しないでね。なんでも、一途に想ってる人がいるんだって」
『だから好きになっても無駄だよ』という加藤さんに「わかりました」と頷く。
『一途に想ってる人』言われてドキッとした。
長谷川奏人から「好き」と言われていないのに、もしかして自分のことかもしれないと思ってしまった。
いくらなんでもそんなわけないのに。