報われたい独占欲は、狂気のソレ



 浮気をしていないと信じたい。けれど、今は悟を百%信じれない自分がいる。かといって相談できる人もいない。ふと、相談できる人で唯一頭に浮かぶ人は長谷川奏斗だった。


 けれどこの人に相談してしまったら、またよからぬ方向へ進んでしまう。


 長谷川奏斗のことは『長谷川さん』と呼ぶようになったし、あくまで仕事上の付き合いだけで終わらせたい。


 だから私は長谷川さんとご飯を食べた一ヵ月前から、悟の話題は出していないし悟と今どういう状況なのかということも伝えていなかった。


 『何かあっても仕事には影響出ないように努める』


 私はこう宣言をし、長谷川さんと約束をした。けれど私のこの考えは甘かったらしい、


「川口さん、コンセプトの企画提出今日までだったよね?」


 長谷川さんから問いかけられた。


 ――しまった。今日までだった。悟のことでここ最近ずっとモヤモヤしていて、提出日が今日までということを忘れていた。仕事に影響が出まくっている。


 長谷川さんに頭を下げ、「スミマセン、まだできてないです」と謝罪する。

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