【コンテスト参加作品】私が愛した人は、殺人犯でした。
夏河原さんは、「ふざけてなんてませんよ。だってあなた、彼の家に盗聴器を仕掛けてましたよね?」と伝えると、彼女の表情は一気に変わった。
「……っ!?」
表情が……変わった?
さっきまでの余裕な表情とは違って、焦っているようにも見えた。
「あなたはその盗聴器を仕掛けた部屋から、十年前の真実を偶然にも聞いてしまった。 そして復讐することを決めた。……違いますか?」
彼女は夏河原さんの問いかけには、答えようとはしなかった。
「あなたが偶然を装ってここに来たのも、盗聴器から会話を聞いたから。……違いますか?」
「………」
「その会話から、二人がここに来ることを知ってしまったあなたは、あなたに二人が辿り着くことも予想していた。 だからあなたは、敢えて二人の前に現れた」
まさか……これも、全部計算だって言うの……?
「そして正当防衛に見せかけようと考えた」
「……さっきから、何言ってんの?」
「正当防衛にすれば、あなたは罪が軽くなると考えた。……だから、彼を刺し殺そうとした」
まさか……本当に、そんなこと?
だとしたら……信じられない。
「あなたの計画は、失敗ですね。残念です」
「なっ……!」