『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました


「璃子さん、これは?」
「う~ん、もっとシンプルなのでいいよ?」
「えぇ~っ、せっかくなんだから、どーんとどデカいやつにしましょうよ!」
「でも、仕事するのに傷ついちゃいそうだし……」
「何言ってるんですか!婚約指輪なんて、一時のもんですよ?どうせ直ぐに結婚指輪するようになるんだし」
「じゃあ、なおさらじゃない?そんな一時のために、こんな豪華な指輪は要らないよ~」
「あーもー、グダグダうっせぇなぁ~」
「っ……」

イラっとしたのか、不機嫌な表情になった彼。
ジュエリー店の店員さんとにこやかに会話してる。

「璃子さん、これにしませんか?ってか、これにしましょう!……ね?」

私は彼のこの“ね?”に弱い。
年下モテ男のテクとでもいうのか、おねだり顔で言われたら、“うん”と答えてしまいそう。

「黒川チーフや主治医の医師にもちゃんと見せびらかして下さいね?」
「っ……」

未だにそれを出して来る?
そんな風にあからさまに嫉妬されるのも悪くないかな。

スッと薬指に嵌められた指輪は、ダイヤが一周あしらわれてるエタニティーリング。
プラチナでできているそれは、結構なお値段がする。

「これ、給料の三か月分じゃきかないよ?」
「俺を見くびっちゃ困りますね」
「へ?」
「大学時代から結構投資関連やってるんで、璃子さんより貯金あると思います」
「ッ?!!」
「まぁ、五歳も年下だから、なめられてるんだろうなぁとは思ってましたけど」
「……」
「だから、もっと甘えていいですからね?」
「っっっ」

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