若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
 浅瀬であっても、まだ幼いショーンを海に入れるのは怖かったから。
 ジョンズワートは、砂浜での遊びを息子と楽しむことにした。
 最初に行ったのは、貝殻拾い。
 
「ほら、ショーン。見てごらん。きれいだろう?」

 ジョンズワートは、ピンク色の、つやつやとした貝殻を選んでショーンに見せた。
 喜んだショーンはそれを受け取り、母の元へと駆けていく。
 休めるよう砂浜にテーブルや椅子を展開しており、カレンはそこに座って二人を見守っていた。

「おかあしゃ、みてみて!」

 息子に差し出された貝殻を見え、「まあ」とカレンは目を細める。
 きれいね、と母に頭を撫でられ、ショーンはどこか誇らしげだった。
 そこに、追加の貝殻を持ったジョンズワートがやってくる。
 どれもつやつやぴかぴかで。それに対してもカレンが喜んで笑顔を見せたものだから。
 母を取られたような気持ちになったのだろうか。ショーンがむすっとした。

「ああ、ごめんごめん、ショーン」
「んー……」
「ごめんよ。今度は母さんに一緒に見せよう。僕と来てくれるかい?」

 ジョンズワートが手を差し出しても、ショーンはぷーっと頬を膨らませている。
 これにはジョンズワートも困ってしまい。
 休暇も始まったばかりだというのに、息子がご機嫌斜めになってしまった。
 ジョンズワートは、なんとかショーンの機嫌をとろうと必死だ。
 どうにかして宥めると、二人は手を繋いで歩いていき、再び砂浜で遊び始めた。
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