若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
こうして、この騒動は幕を閉じた。
アーネスト領に訪れた頃はまだ昼前だったというのに、もう日が落ちかけている。
時間帯としては夕方に差し掛かるぐらいだが……季節が季節だから、暗くなるのも早い。
今日は色々あって疲れたのだろう。まだ幼いショーンなんて、父に抱かれて眠っている。
温かい恰好をして父にくっついているから、眠ってしまっても特に問題はないだろう。
カレンとジョンズワートは、このままアーネスト家へ向かうことにした。
この日の夕食は、アーネスト家でとることになっているのである。
アーネスト家へ向かう道中、夫婦で今日のことについていろいろな話をした。
楽しかったけど大変だった、外出のときはもっと気を付けよう、でも無事で本当によかった。
そんなことを話しながらアーネスト邸のすぐ前まで来た頃、ジョンズワートがこう口にした。
「来年も、また三人で来よう」
「ええ。三人で、一緒に」
色々あったが――今日は、本当に楽しかった。
来年も三人で一緒に来たら、きっとよい時間を過ごせるだろう。
二人は同じことを考えて、微笑み合う。
「来年も楽しみですね」
夕日を浴びながら微笑む彼女は、とても綺麗だった。
こんなやりとりをした彼らであるが、来年の雪まつりへの参加は見送りとなる。
次の夏頃、カレンが妊娠していることがわかるのだ。
身体が弱く身重な彼女を、冬にあまり出歩かせるわけにはいかない。
だから来年の雪まつりに三人で来ることはできないし、なんなら、家族が増えるため、落ち着いてからも「三人」で来ることはない。
そのことを、この夫婦はまだ知らない。
アーネスト領に訪れた頃はまだ昼前だったというのに、もう日が落ちかけている。
時間帯としては夕方に差し掛かるぐらいだが……季節が季節だから、暗くなるのも早い。
今日は色々あって疲れたのだろう。まだ幼いショーンなんて、父に抱かれて眠っている。
温かい恰好をして父にくっついているから、眠ってしまっても特に問題はないだろう。
カレンとジョンズワートは、このままアーネスト家へ向かうことにした。
この日の夕食は、アーネスト家でとることになっているのである。
アーネスト家へ向かう道中、夫婦で今日のことについていろいろな話をした。
楽しかったけど大変だった、外出のときはもっと気を付けよう、でも無事で本当によかった。
そんなことを話しながらアーネスト邸のすぐ前まで来た頃、ジョンズワートがこう口にした。
「来年も、また三人で来よう」
「ええ。三人で、一緒に」
色々あったが――今日は、本当に楽しかった。
来年も三人で一緒に来たら、きっとよい時間を過ごせるだろう。
二人は同じことを考えて、微笑み合う。
「来年も楽しみですね」
夕日を浴びながら微笑む彼女は、とても綺麗だった。
こんなやりとりをした彼らであるが、来年の雪まつりへの参加は見送りとなる。
次の夏頃、カレンが妊娠していることがわかるのだ。
身体が弱く身重な彼女を、冬にあまり出歩かせるわけにはいかない。
だから来年の雪まつりに三人で来ることはできないし、なんなら、家族が増えるため、落ち着いてからも「三人」で来ることはない。
そのことを、この夫婦はまだ知らない。