若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
 15歳のジョンズワートは、カレンと馬の二人乗りをし、楽しさのあまり指示を怠り、当時12歳だったカレンを落馬させた。
 色々あった二人だが……あそこまで拗れた1番最初の原因は、あのとき負った額の怪我である。
 かなり薄くはなったが、傷はまだカレンの額に残っている。
 もしもこの傷がなかったら。乗馬をしていなかったら。
 最初の求婚をあんな形で断ることはなかったかもしれないし、妊娠の可能性を隠して逃亡するなんていう大騒動にも発展しなかったかもしれない。
 だからかジョンズワートは、乗馬のこととなると息子が何度頼んできても譲らない。

 ショーンは、見た目をはじめとして、色々な部分が父親のジョンズワートに似ている。
 乗馬など教えたら、父親と同じく好きな子を馬に乗せて怪我をさせそうだ。
 そういうわけで、ジョンズワートは息子に乗馬の練習をさせずにいた。
 まあ実際、あと数年は経ってからの方が安心だろう。
 だからカレンも、こういうとき、無理に息子につくことはしなかった。
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