若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
そのあとも、そのまたあとも、ジョンズワートはカレンに会いに行く。
彼女は寝込みがちなため、基本的にジョンズワートのほうがアーネスト邸に足を運ぶのだ。
とある日、アーネスト邸に着くと、カレンは調子を崩してベッドにいると伝えられた。
寝ているなら邪魔をすべきではないと思ったが、彼女はまだ起きていて、ジョンズワートに会いたがっているとのこと。
無理はさせたくないが、ジョンズワートだって、カレンの顔が見たい。
少しだけ、会わせてもらうことにした。
「ごめんなさい、ワートさま」
「いいんだ。僕のことは気にせず、ゆっくりやすんで?」
ベッドの横に用意された椅子に座り、カレンと言葉を交わす。
横たわる彼女の顔は赤く、いくらか呼吸も乱れていた。
できることなら、もっとカレンのそばにいたいが――彼女のことを想うなら、長居するべきではないだろう。
自分がここにいたら、きっと、彼女は眠れない。
だから、少し経ったら「じゃあ、今日はこれで」と、帰るつもりで立ち上がった。
……立ち上がろうとした。
くん、となにかに引っ張られたことを感じ取り、ジョンズワートの動きがとまる。
「……カレン?」
「あっ……。ご、ごめんなさい」
見れば、カレンの手がジョンズワートの服のすそに伸びていた。
すぐに離されたものの、彼女の表情や行動は、「まだここにいて」と語っていた。
好きな女の子にこんなことをされて、放っておける男がどこにいるだろうか。
ジョンズワートは椅子に座り直し、彼女の小さな手をそっと握った。
「きみが眠るまで、ここにいるよ。だから、安心しておやすみ」
「わーと、さま……」
手に触れる温もりに安心したのか、カレンは弱々しく、けれど安堵した様子で微笑んでから、眠りに落ちていった。
彼女は寝込みがちなため、基本的にジョンズワートのほうがアーネスト邸に足を運ぶのだ。
とある日、アーネスト邸に着くと、カレンは調子を崩してベッドにいると伝えられた。
寝ているなら邪魔をすべきではないと思ったが、彼女はまだ起きていて、ジョンズワートに会いたがっているとのこと。
無理はさせたくないが、ジョンズワートだって、カレンの顔が見たい。
少しだけ、会わせてもらうことにした。
「ごめんなさい、ワートさま」
「いいんだ。僕のことは気にせず、ゆっくりやすんで?」
ベッドの横に用意された椅子に座り、カレンと言葉を交わす。
横たわる彼女の顔は赤く、いくらか呼吸も乱れていた。
できることなら、もっとカレンのそばにいたいが――彼女のことを想うなら、長居するべきではないだろう。
自分がここにいたら、きっと、彼女は眠れない。
だから、少し経ったら「じゃあ、今日はこれで」と、帰るつもりで立ち上がった。
……立ち上がろうとした。
くん、となにかに引っ張られたことを感じ取り、ジョンズワートの動きがとまる。
「……カレン?」
「あっ……。ご、ごめんなさい」
見れば、カレンの手がジョンズワートの服のすそに伸びていた。
すぐに離されたものの、彼女の表情や行動は、「まだここにいて」と語っていた。
好きな女の子にこんなことをされて、放っておける男がどこにいるだろうか。
ジョンズワートは椅子に座り直し、彼女の小さな手をそっと握った。
「きみが眠るまで、ここにいるよ。だから、安心しておやすみ」
「わーと、さま……」
手に触れる温もりに安心したのか、カレンは弱々しく、けれど安堵した様子で微笑んでから、眠りに落ちていった。