新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
「ハッハッハッ……。矢島さん。謝るところではないだろう?」
「えっ? あっ。す、すみま、あっ。申しわけありません」
「要らぬ心配だったな。高橋君。これなら、息抜きも出来るな。ハッハッハ……」
そう言って、社長は笑いながら背中を向けて歩き出すと、高橋さんは社長に向かって黙ってお辞儀をしたので、慌ててそれにならった。
今の社長の話は、何だったんだろう?
息抜きって、何?
社長の後ろ姿を見ながら不思議に思っていると、高橋さんに呼ばれた。
「矢島さん。乗るぞ」
「あっ、はい。すみません」
エレベーターが来そうだったので、慌てて高橋さんを追い掛けると、ちょうどエレベーターの扉が開いた。
「高橋さん。社長のお話の内容がよく分からなかったんですが、何を社長はおっしゃりたかったのですか?」
「ん? さあ? 何だったんだろうな」
「てっきり、私は……」
ハッ!
「何だ?」
「い、いえ、何でもありません」
「……」
ふぅ。
危ない、危ない。
もう少しで、もっと君は高橋さんの仕事の負担を減らしてあげなさいと言われると思ってましたと言ってしまうところだった。
「そう言えば、今度の週末は何か予定入ってるか?」
「週末ですか?」
土曜日か日曜日に買い物に行きたかったけれど、特に何も予定はまだ立てていない。
「あの、特に何も入っていないですが」
「そう。明良達が家に来るから、もし良かったら矢島さんも来るか?」
「えっ? い、いいんですか?」
「嫌なら誘わない」
「は、はい。それなら、是非参加させて下さい。明良さん達にお土産も買ってきたので、機会があったら渡したかったんです」
「分かった。また、詳しいことは後で」
「は、はい」
「その前に、決算締めるぞ。今週は、かなりハードだから覚悟しておいてくれ」
「はい!」
俄然、やる気が出て来た。
「えっ? あっ。す、すみま、あっ。申しわけありません」
「要らぬ心配だったな。高橋君。これなら、息抜きも出来るな。ハッハッハ……」
そう言って、社長は笑いながら背中を向けて歩き出すと、高橋さんは社長に向かって黙ってお辞儀をしたので、慌ててそれにならった。
今の社長の話は、何だったんだろう?
息抜きって、何?
社長の後ろ姿を見ながら不思議に思っていると、高橋さんに呼ばれた。
「矢島さん。乗るぞ」
「あっ、はい。すみません」
エレベーターが来そうだったので、慌てて高橋さんを追い掛けると、ちょうどエレベーターの扉が開いた。
「高橋さん。社長のお話の内容がよく分からなかったんですが、何を社長はおっしゃりたかったのですか?」
「ん? さあ? 何だったんだろうな」
「てっきり、私は……」
ハッ!
「何だ?」
「い、いえ、何でもありません」
「……」
ふぅ。
危ない、危ない。
もう少しで、もっと君は高橋さんの仕事の負担を減らしてあげなさいと言われると思ってましたと言ってしまうところだった。
「そう言えば、今度の週末は何か予定入ってるか?」
「週末ですか?」
土曜日か日曜日に買い物に行きたかったけれど、特に何も予定はまだ立てていない。
「あの、特に何も入っていないですが」
「そう。明良達が家に来るから、もし良かったら矢島さんも来るか?」
「えっ? い、いいんですか?」
「嫌なら誘わない」
「は、はい。それなら、是非参加させて下さい。明良さん達にお土産も買ってきたので、機会があったら渡したかったんです」
「分かった。また、詳しいことは後で」
「は、はい」
「その前に、決算締めるぞ。今週は、かなりハードだから覚悟しておいてくれ」
「はい!」
俄然、やる気が出て来た。