新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜
車内は混んでいたが、ドアの傍に立って外を見ながら先ほどまでのことを考えていた。
呼び捨てで名前を呼べる間柄だったあの女性は、間違いなく高橋さんの過去に関わった女性。それも、あの口調からすると恐らく彼女だった人。
ああ。
あのニューヨークで擦れ違ったミサさんの顔が、どうしても思い出せない。
でも、何だろう。
ニューヨークで擦れ違ったミサさんと、さっき擦れ違った人は同一人物だと思える変な確信があった。
あの人が、ミサさん……。
ミサさんの声が、しっかりと耳に残っている。
こんなに広い世界で、しかもニューヨークで偶然に擦れ違い、また日本でも。哀しいかな、そのどちらにも私は遭遇してしまっている。
高橋さんがミサさんと偶然会ってしまったのは、私と一緒に居た2回だけなんだろうか? それとも、私と一緒じゃなかった時もこんなことがあったんだろうか?
どちらにしても、高橋さんがミサさんと偶然会ってしまったことは事実。それも、2回。
この先も、こんなことが起きるとしたら……。
高橋さんと一緒に居ることで、この締め付けられるような思いをするのは、もう嫌だ。
まゆみが今日、居てくれて本当に良かった。
この思いを聞いて貰いたい。
高橋さんのことは好きだけれど、でもこんな風に過去の女性のことで苦しむのは耐えられない。忍耐がないと、言われるかもしれない。だけど、2度も擦れ違うなんて。やっぱり高橋さんとミサさんは、切っても切れない縁があるんだと思う。
たとえミサさんに結婚して子供が居たとしても、高橋さんはミサさんと会う度にまた過去を思い出して、その過去に気持ちが戻ってしまうとしたら……。
自分でも、暗く鬱屈した考えだと思う。もっと、前を向いて歩いて行かれたらどんなにいいか。
最寄り駅まであと2駅のところでまゆみにメールをして駅を降りると、まゆみが改札口で待っていてくれた。
呼び捨てで名前を呼べる間柄だったあの女性は、間違いなく高橋さんの過去に関わった女性。それも、あの口調からすると恐らく彼女だった人。
ああ。
あのニューヨークで擦れ違ったミサさんの顔が、どうしても思い出せない。
でも、何だろう。
ニューヨークで擦れ違ったミサさんと、さっき擦れ違った人は同一人物だと思える変な確信があった。
あの人が、ミサさん……。
ミサさんの声が、しっかりと耳に残っている。
こんなに広い世界で、しかもニューヨークで偶然に擦れ違い、また日本でも。哀しいかな、そのどちらにも私は遭遇してしまっている。
高橋さんがミサさんと偶然会ってしまったのは、私と一緒に居た2回だけなんだろうか? それとも、私と一緒じゃなかった時もこんなことがあったんだろうか?
どちらにしても、高橋さんがミサさんと偶然会ってしまったことは事実。それも、2回。
この先も、こんなことが起きるとしたら……。
高橋さんと一緒に居ることで、この締め付けられるような思いをするのは、もう嫌だ。
まゆみが今日、居てくれて本当に良かった。
この思いを聞いて貰いたい。
高橋さんのことは好きだけれど、でもこんな風に過去の女性のことで苦しむのは耐えられない。忍耐がないと、言われるかもしれない。だけど、2度も擦れ違うなんて。やっぱり高橋さんとミサさんは、切っても切れない縁があるんだと思う。
たとえミサさんに結婚して子供が居たとしても、高橋さんはミサさんと会う度にまた過去を思い出して、その過去に気持ちが戻ってしまうとしたら……。
自分でも、暗く鬱屈した考えだと思う。もっと、前を向いて歩いて行かれたらどんなにいいか。
最寄り駅まであと2駅のところでまゆみにメールをして駅を降りると、まゆみが改札口で待っていてくれた。