婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜


「困ったな……」と、フランソワはがっくりと項垂れた。

 レイモンドは確実に侯爵令嬢に惹かれ始めている。それこそ下手をすれば国際問題に発展しかねない由々しき事態だ。
 だが、仮に侯爵令嬢と愛し合うような状況になったら、彼のトラウマは克服されるかもしれない。

 友人として、彼には過去を乗り越えて前向きに生きて欲しいし、愛する女性と結ばれて欲しい。

 臣下としては…………頼むからこれ以上面倒な揉め事を起こさないでくれっ!!

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