婚約破棄寸前の不遇令嬢はスパイとなって隣国に行く〜いつのまにか王太子殿下に愛されていました〜

14 生まれて初めて

 ダイヤモンド鉱山から帰ってきて、一週間ほどが過ぎた。

 わたしはオディール・ジャニーヌ侯爵令嬢としての溜まっている仕事を片付けて、今はアンドレイ様に送る報告書を作成していたところだ。
 本当はすぐに報告作業に取り組みたかったけど、スカイヨン伯爵のお小言がうるさくて、外交官としての仕事を優先することにした。わたしが不在の間、伯爵には心配と迷惑を掛けたことだしね。
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