麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その4
麻衣


私は再び視線を荒子総長に合わせてから、こう答えた

「お答えは控えさせてもらいます。すいません‥」

ここで鬼軍曹がキレたわ

「本郷、テメー‼こっちはそのネタ、真澄先輩からってこと、お見通しなんだよ!とぼけんなって‼南玉にカムバックしてまでそんな態度じゃ、メンバーからの不信感が拭えるわけないだろ!」

恵川先輩は容赦なかったし、自分で言うのもおかしなもんだが、これ、至極ごもっともだ

それにしても…

荒子総長…、木戸さんってことまで承知の上でだったのか…

...


「恵川先輩、仮に木戸先輩の名を私が口にして、どうなさるんですか?本田さんに汚名を着せた犯人がメンバー以外の人間だってことで、みんなの感情を取り繕うっちゃうんですか?それで、はいおしまいにしたいと…」

「なんだとー、貴様ー‼」

そう言うが早いか、右斜め正面のイスに座っていた鬼軍曹は勢いよく立ち上がり、赤鬼の形相で私に掴みかかろうとしていた

「いづみ、ダメよ!」

その時、素早く制止に入ったのは高津先輩だった

荒子総長は腕組みをして微動だにしなかったし…

さあ、総長のお定はどうかな…

...


「荒子、やっぱ、こんなヤロウ無理だわ、戻すの。幹部会の権限で本郷の復帰NGにしたらどうだ?」

「…のん子の考えはどうなんだ?」

「うん、今の態度みたいなのがこれからってのなら、組織内に波風が立つのは防げないよね。私達が現役でいられるまではいいにしても、来年、今の1年が代を継いだ時のことを思うと、いづみの意見に賛成ね」

まあ、こんなとこだよな

でも、私には曲げられないんだ、ここんとこは

...


「いづみ、のん子、二人の意見は分かった。だがよう、コイツがこんなんで出てくるのは、最初から承知だろうが。私は何も本郷に波風を立てないように強要する気はないよ」

「荒子!」

恵川先輩は再び立ち上がって、総長に食ってかかかる勢いだった

「そんなら、荒子はこのヤロウに好き放題やらせるつもりなのかよ!また南玉を分裂させるようなもんだろが、それじゃあ!」

「いや…、私は違うと思う」

総長…

...


「荒子、聞かせて。本郷がこれからもこんな態度でならよ、今までとどこが違うって言うの?」

「のん子‥、本郷は今までのように、組織自体をひっくり返そうとってことでは行動しないって決して。もう、その必要は消え去ったんだからね。ただ、自分の信条は曲げない…。それだけさ」

「そんな!それじゃあ、組織の規律が保てないわ!」

「ああ、そうだ‼のん子の言うとおりだって、荒子。こんな反省する能力もないイカレた奴、南玉に戻すのは断固反対だ!」

私を巡って新しい執行部3人が激しく口論をしている…

さすがの私もこの時は下を向いていたわ

やっぱし私は招かざる客ってことか…




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