麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その6
麻衣
「…本田を貶める卑劣なデマなど、私には決して許せるものではない。お前は自分なりに深く考え、その上での行為なのだろうから、言えないことは言わなくていいさ。だが、これから横田や本田と南玉連合の一員同士としてやりあっていく中で、お前のとったこの行為からは決して逃げるな。一度界隈に浸透した噂となれば、私たちがどんなにデマだと訴えても決して消せるもんじゃないんだからな」
総長は、とつとつと私に言い聞かすかのようだった
「…本田と競うメンバーの中には、そのデマを根強く心の中に残す者もいるだろうさ。新たに入る1年坊の間では、今後この説を巡って様々な確執が生まれるだろう。本田はこれからずっと、そいつらからのあらぬ視線を浴びて苦しむんだ。そのことをずっと直視し続けるお前もまた苦しむ。それを以って本郷‥、お前には本田への所業を自分なりに償ってもらう。これをやり抜けると誓えるか、私たち3人に。今ここでよう‼」
「はい、誓います!合田総長、恵川先輩、高津先輩‥。私は自分の決断で行ったこの行為に対して、決して…、目を背けずに…、向きあい…ます」
私は最後まで言葉が続かなかったよ
何て凄い人なんだ、合田荒子って人は…
私は座ったままそう”宣誓”した後、両手を膝に当て3人の前で深く頭を下げた
...
頭を上げると、総長は少し笑顔だった
二人の両先輩もやや穏やかな顔つきになっていたかな…
「本田はお前が三田村を使ってデマを流させたことを知ってもな、そのことのみでお前にあらぬ立場を取るような女じゃあない。アイツはそんな噂と自分なりに戦う勇気を持ってるさ。もしかしたらあの夜、火の玉川原でヤツは心の奥底で、噂通りの臆病な自分が少しでも存在したんじゃないかと問いただすくらいの気概を備えてるよ、本田多美代はな」
「総長…」
私はもはや、体中がジンジン痺れる感覚を抑えることができなかったよ
...
「いづみ、のん子‥。二人には納得しきれない点もあるだろうが、本郷は南玉に戻す。横田や本田はさ、私たちが思ってるよりたくましいよ。これからもこんな喧々諤々は年中だろう。私ら3人が現役引退するまで、コイツらを厳しく見守っていってやろうや。なあ…」
「荒子‥、わかったわ。だけど、あくまで厳しくよ。私も今後はその都度で妥協しない。私もやりあっていくから、今日みたいに。いいわね、本郷さん!」
「はい、高津先輩、ぜひ厳しくお願いします!」
「よし、私も厳しく厳しく見守るってことで了解する。本郷、お前は大っ嫌いな女だし、荒子みたいに信用は置いていないからな。こらからもドンドンぶつかるよ、私からも」
「恵川先輩、厳しく厳しくは大歓迎ですので、よろしくお願いします!」
両先輩は苦笑いだった…
ここで荒子総長がきりっとした表情に戻って、私に毅然と言った
「本郷、お前も遠慮はいらない。信じるところに従い、妥協するな。私がトップのうちはお前の行い、すべて真っ向で受け止めてやる。だが、私らが引退したら、お前たちの代ですべてを解決していかなけれなならないんだからな。いいな!」
「はい…、決して逃げずに正面から…。今のお言葉、胸に刻みます」
どうやら赤い狂犬は私のすべてを受け止めてくれたらしい…
本気で…
...
かくて、私の”再入学”手続きは終わった
今日で荒子総長の南玉再建構想の”狙い”は把握できたよ
この人、南玉の組織統制の本質を変える気だ
察するに、表面上の妥協やなあなあモードは極限まで削ぎ、常にぶつかり合いでの着地をルール化するイメージなんだと思う
そして、私に対しては決して後ろに引かない横田競子をぶつけ、南玉連合を組織力の疲弊と無縁な、個々が鋼となっての野性的集団に移行しようとしてるんだ
ふふ…、これは思いのほか刺激的な毎日が送れそうだわね
私のターゲットである横田競子は、最初から各校勢力のアタマを担うってことだし
奴の気質からすれば、弱者に寄り添うスタンスを前面に出す
となれば、その辺のフツーの女子校生から熱狂的な支持を得ていくことだろうさ
へへ…、こりゃ面白いや
総長が目を光らせてるうちに、思いっきりやろうな、カモシカちゃん
麻衣
「…本田を貶める卑劣なデマなど、私には決して許せるものではない。お前は自分なりに深く考え、その上での行為なのだろうから、言えないことは言わなくていいさ。だが、これから横田や本田と南玉連合の一員同士としてやりあっていく中で、お前のとったこの行為からは決して逃げるな。一度界隈に浸透した噂となれば、私たちがどんなにデマだと訴えても決して消せるもんじゃないんだからな」
総長は、とつとつと私に言い聞かすかのようだった
「…本田と競うメンバーの中には、そのデマを根強く心の中に残す者もいるだろうさ。新たに入る1年坊の間では、今後この説を巡って様々な確執が生まれるだろう。本田はこれからずっと、そいつらからのあらぬ視線を浴びて苦しむんだ。そのことをずっと直視し続けるお前もまた苦しむ。それを以って本郷‥、お前には本田への所業を自分なりに償ってもらう。これをやり抜けると誓えるか、私たち3人に。今ここでよう‼」
「はい、誓います!合田総長、恵川先輩、高津先輩‥。私は自分の決断で行ったこの行為に対して、決して…、目を背けずに…、向きあい…ます」
私は最後まで言葉が続かなかったよ
何て凄い人なんだ、合田荒子って人は…
私は座ったままそう”宣誓”した後、両手を膝に当て3人の前で深く頭を下げた
...
頭を上げると、総長は少し笑顔だった
二人の両先輩もやや穏やかな顔つきになっていたかな…
「本田はお前が三田村を使ってデマを流させたことを知ってもな、そのことのみでお前にあらぬ立場を取るような女じゃあない。アイツはそんな噂と自分なりに戦う勇気を持ってるさ。もしかしたらあの夜、火の玉川原でヤツは心の奥底で、噂通りの臆病な自分が少しでも存在したんじゃないかと問いただすくらいの気概を備えてるよ、本田多美代はな」
「総長…」
私はもはや、体中がジンジン痺れる感覚を抑えることができなかったよ
...
「いづみ、のん子‥。二人には納得しきれない点もあるだろうが、本郷は南玉に戻す。横田や本田はさ、私たちが思ってるよりたくましいよ。これからもこんな喧々諤々は年中だろう。私ら3人が現役引退するまで、コイツらを厳しく見守っていってやろうや。なあ…」
「荒子‥、わかったわ。だけど、あくまで厳しくよ。私も今後はその都度で妥協しない。私もやりあっていくから、今日みたいに。いいわね、本郷さん!」
「はい、高津先輩、ぜひ厳しくお願いします!」
「よし、私も厳しく厳しく見守るってことで了解する。本郷、お前は大っ嫌いな女だし、荒子みたいに信用は置いていないからな。こらからもドンドンぶつかるよ、私からも」
「恵川先輩、厳しく厳しくは大歓迎ですので、よろしくお願いします!」
両先輩は苦笑いだった…
ここで荒子総長がきりっとした表情に戻って、私に毅然と言った
「本郷、お前も遠慮はいらない。信じるところに従い、妥協するな。私がトップのうちはお前の行い、すべて真っ向で受け止めてやる。だが、私らが引退したら、お前たちの代ですべてを解決していかなけれなならないんだからな。いいな!」
「はい…、決して逃げずに正面から…。今のお言葉、胸に刻みます」
どうやら赤い狂犬は私のすべてを受け止めてくれたらしい…
本気で…
...
かくて、私の”再入学”手続きは終わった
今日で荒子総長の南玉再建構想の”狙い”は把握できたよ
この人、南玉の組織統制の本質を変える気だ
察するに、表面上の妥協やなあなあモードは極限まで削ぎ、常にぶつかり合いでの着地をルール化するイメージなんだと思う
そして、私に対しては決して後ろに引かない横田競子をぶつけ、南玉連合を組織力の疲弊と無縁な、個々が鋼となっての野性的集団に移行しようとしてるんだ
ふふ…、これは思いのほか刺激的な毎日が送れそうだわね
私のターゲットである横田競子は、最初から各校勢力のアタマを担うってことだし
奴の気質からすれば、弱者に寄り添うスタンスを前面に出す
となれば、その辺のフツーの女子校生から熱狂的な支持を得ていくことだろうさ
へへ…、こりゃ面白いや
総長が目を光らせてるうちに、思いっきりやろうな、カモシカちゃん