麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その7
ケイコ


部活が終わった

さあ、時間が押してるよ

急がなくちゃ…

私が更衣室に走って入ると、既に着替えを終えていた主将の笹原先輩が私に寄ってきた

「ああ、主将、お疲れ様です!」

「うん、お疲れ。…ああケイコ、アンタ、南玉で各校勢力の責任者になったってね。あのさ…、私の後輩がモメ事抱えてる妹のことで例の”評判のよくない先輩”に相談したそうなんだけど、えらい金額を要求されたらしくてね…。で、私の部の後輩が南玉連合の幹部になったと知ってさ。まあ、アンタに話を聞いてもらいたいって言ってるんだ。一度、会ってもらえないかな…」

おお…、主将からもさっそくか…

部活仲間からは、今週に入って3件目だよ!

「…じゃあ、この連絡先のメモ、後輩に渡すからさ。ごめんね、変なこと頼んでさ。無理そうなら遠慮なく断ってくれて構わないからさ」

主将はえらく恐縮していたわ

ありゃー、時間がない…

...


私は全力疾走で校門を飛び出したんだが…

「あのう、すいません!横田さんですよね…」

誰か私に声をかけてる‥

立ち止まって振りかえると、校門の脇には制服姿の少女3人だ

私は3人の前まで戻り、自己紹介した

すると、一人が切りだしたよ

「あのう、横田さんは南玉連合で新しく幹部になられたんですよね。実は…」

わー、こりゃ、”また”だな(苦笑)


...


ふー、何とか時間ギリギリにK駅前の喫茶店に着いたか…

今日は荒子さんと恵川さん、高津さんの3人とここで打ち合わせってことになっててね

私が店内に入ると3人はすでに揃っていたよ

「先輩方、お待たせしてすいません…」

「ケイちゃん!部活で忙しいのにすまない。さあ、座ってくれ」

「はい…、では失礼します」

私は3人に挨拶をしてから恵川先輩の隣に座った

...


「…そうですか、本郷麻衣とはそういうことで…」

ここへ来る前、幹部3人は麻衣を呼んで今後の対応について細かい確認事項を交わしたらしいんだけどね…

荒子さんらは私に麻衣とのやり取りを、”ありのまま”告げてくれてね

どうやら、いきなり喧々諤々でってことだったそうだよ

麻衣のヤツ、例の”反省しているとは言えない”と持論を貫いたようだわ(苦笑)

まあ、そこまでは恵川さんらも許容範囲だったんだろうが…

「そうなんですか…。私も多美のその噂は聞き及んで、何と悪意のあるデマだと憤慨してました。それ、本郷が”評判の良くない先輩”に持ちこんだんですか…」

「全く、そんで本郷のヤツはデマだとは言わないんだわ。真澄先輩から頼まれたってこともこっちにはわかってるのに、すっとぼけたままで、のん子と私はケツまくる寸前だったよ」

ふー、麻衣ってヤツはとことん突っ張るなあ…

恵川さんらからしたら、出戻りを許された身分で何をふざけたことをとなっただろう

先輩方も先が思いやられるよね

でも荒子さんは凄いや

きっと、麻衣のことは深く理解できてるんだろう



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