麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その8
ケイコ


「それでケイちゃん、多美のことはお前の方からもフォロー頼むよ。これから新規メンバーがどっと増えれば、どうしたって各校・走りの2グループ間では対抗意識が高まる。ましてやケイちゃんと麻衣は両グループに分かれてやり合う訳だしな」

うん…、言えてるよ

ドッグスと走り所属の新メンバーからすれば、こっちのグループのサブリーダーである多美のそんなゴシップは真偽以前に都合よく解釈しちゃうよね、人間の心理として…


「…まあ、私としてはそれをどんと受け入れた訳だから、互いに火花を散らすのは容認するが、多美への中傷は筋違いだ。そこを突いてしまってはフェアじゃないし、感情的にしこりを生む。ここはケイちゃんの挙動に頼らざるを得ないわ」

「はい。何しろあの夜の火の玉川原では、多美と私がそれこそ”当事者”でしたから。南玉連合の命運を握る局面のです。そこでは、私が多美に南玉の主力を呼んで来てくれるように頼んだんです。その事実はこの私が一番良く承知してますから…」

荒子さんも二人の幹部も大きく頷いてくれてる

「…あの切迫した状況下、二人で下した決断は間違っていません。断じて!私はドッグスにもこれから入って来る新メンバーにも、そう”言い続けて”いきます!」

私の言うでなく言い続けるという言い回しに、3人の先輩は理解してくれたみたいで、皆ニヤリと笑っていたよ

...


「いやあ…、確かに荒子が太鼓判押すだけあって、この子はたくましいし頼れるなあ…。アハハハ…、横田、アンタには期待してるからね」

恵川先輩はそう言って、私の肩にポンと右手を乗せた

麻衣に関連しては、他にも色々と申し合わせがあったが、その後で私の方から切り出した

「私から一つ、いいですか?」

「ああ、何だ?」

ここで、私を名指しにした相談事が、様々な人伝手、乃至はさっきの校門の3人みたいに直接舞いこんでいる件を報告した

「ほー、さすが火の玉川原の英雄だ。凄いな、短期間にその量は…。ハハハ…」

恵川先輩は呑気に笑ってたけど…

「…今後もこういうの、増えると思うんです。私としてはどう対処していいものか…。今のうちに対応の手順は指示していただきたいんですけど」

「よし、確かにケイちゃんを通じた南玉への相談や依頼事はどんどん増えるだろうからな。概ね対応のルール化を定めておこう。ケイちゃんひとりの負担にならないようにな」

助かった…

で、どんな流れになるのかな…

...


「…ってな具合で、ケイちゃん、どうかな?」

荒子さんの提案した対応スキームはこうだった

まず私が受け取った相談事や依頼事は一旦、各校側を管轄する高津先輩に上げ、そこから更に荒子総長の判断を仰ぐ

総長が各事案を受任するか否かの結論を出し、受任事案の対処方策、担当者は総長が決定する

もし、総長ひとりで判断し兼ねる事案の場合は、緊急幹部会を招集して南玉連合として方針を決する

受理事案の対処が完了した際には、依頼者の窓口である私はその首尾報告を受け、それを私が依頼者またはその代理人に伝える

諸事情により、依頼事を受け入れられない場合もその旨は私が直接依頼事を持ちこんできた人に返答する

まあ、私はあっちこっちから受け取る相談や依頼事を一人で抱えずに、南玉連合として対応を取ってくれるって訳で気が楽になったよ(笑)



< 36 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop