麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その10
ケイコ



「そうね…。この前、津波さんが言っていたっけ。最近の南玉は奢り高ぶっている自覚もなく、何様だって印象は否めなかったとね。赤塗り実戦のシンボルを気取ってこの地の女達に旗を振り続けてるつもりでも、その辺の普通の少女たちには、悩みを打ち明ける対象には見られなかったってことよね。反省しなきゃいけない…」

高津先輩はすっかり神妙な顔つきになって、しみじみともらしていたよ

これを小刻みに頷きながら聞いていた荒子さんは、高津さんに向かって言ったよ

「少なくとものん子のセクションはさ、メンバー全員に今の認識を浸透させて欲しい」

「うん、承知よ」

さらに、間髪を入れず今度は恵川先輩に対してもだ

「いづみの方は、もし依頼事を我々が着手するにあたって、力の誇示を要する状況に至った際の備えだ」

「おお、わかった。来週は走りの方の志望者を何人か面接するしな。ただ、こっちの部隊はやはり誰でもって訳にはいかないし、ある程度選別の基準は高めで行くよ。いいね、荒子」

「ああ、各校側は従来より敷居を下げるが、走り部隊は別さ。その為の実力行使を伴う組織再構成だからね。大きな方針の意識共有は不可欠だが、役割分担は明確に行こう。のん子、そっちの集まりは週末だったっけ?」

「ええ、土曜の夕方にうちで…」

「よし、なにしろ、新しい南玉は原則開けっぴろげでいい。今日の本郷についてだって、何もデリケートに考える必要はないよ。今から新しい南玉の屋台骨を1年で背負わせる土台を固める…。そこに重点を置いてさ。はは…、今年の1年は素材もいいし、既に試練を乗り超えて鍛えられてるからねえ…。かなり早い時期に都県境をけん引できる集団となるよ、きっと。なあ、みんな」

ここまで話すと、荒子さんはにっこりと笑顔を浮かべてくれた




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