麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その19
剣崎
「アハハハ…、いつもながらだが、相馬さんの話は刺激になる。まあ、今日はせっかくお会いできたんだ。有意義な情報交換をさせてもらいましょう。で…、こっちからだが、坂内さんとことの枝である諸星がガキを使ってシノギを得るっていう従来からの持論だが、我々としては、このご時世に至り、今後は”行ける”と読んでますよ。以前は、ヤツが在○ってことで、やくざのプライドもかなぐり捨てた汚れ仕事だとバカにしとったが、時代は変わった。ここまでこの国が繁盛してるとあっては、ガキの落とすゼニもバカにならんでしょう」
なるほどな
そうきたか…
ということは…
...
「…なら、我々の世界もそこに喰いこんで、いっそこちらに都合の良い仕組みを作っちまって、まあ新しいシノギのマーケットとして仕切れればとね…。そちらが長年実践してきた、縄張りからショバ代の集金を自粛する埋め合わせも可能だ。…この考えはですよ、関西も持っとりますよ。我々としては、昔からガキをかじるノウハウを持つ諸星を試験台にして、今から試行錯誤をと思ってるんですわ。時代は急速に変化していますからね。我らの業界だって旧態依然の頭のままじゃ、その流れに取り残される。まずはそう思いませんか?」
「同感ですな。ここで、こっちからもまずは伺いましょう。今回、星流会にガキをおっぺさせたのは、その試行錯誤の一環というこってですかね?」
おお…、会長は田代組のトップに正面から問い質したぞ
ふう‥、体調は優れないとはいえ、肝心な攻めの機は決して逃さない
凄い…
...
「…まあ、そう思っていただいて結構です。あなたの言わんとするところは承知しているので…」
「なら、そう言うことでこのデキの悪い頭に刻まさせてもらいましょう。諸星がこっちの”庭”を使って市場実験を目論んだと…。それを、”あなた方”が黙認というより、やらせたと…。いいですな?」
この場は一気に緊張感が走った
今日の会長は”攻め”に妥協がない
言うまでもなく相手は関東直系だ
田代さんにブチ込んだ”言葉”という弾丸は、その後ろに控える巨大な関東本家に向かって公言したことになるんだ
そんなことを十分承知してる会長が、この展開局面でこうビシッと詰め寄った真意はどこにあるのか…
...
「…相馬さん、さすがに今のお尋ねには”オフコース”とは言えん。私にもそれなりの立場があるもんで。そちらが言う、この業界の大手の看板で生きている生身のモンとして、ひとつ汲んでもらいたい」
「…では、わしの伝言だけは”看板の主”に持ち帰ってもらいましょう。”次”は今回の対応で留まるつもりは毛頭ない。この言葉だけでよろしく願います」
「わかった。その言葉、”正確”に持ち帰るとしましょう、相馬さん」
「すまんですな。今夜の本題じゃないのに、余分な用を押しつけてしまって…」
「いやいや‥、互いにできる範囲の意思疎通はこれからも図りたいですしな」
「同感だ。では、ついでと言っては何だが、もう一つこっちのことも直近で申し上げましょう。まあ、これは雑談の延長なんで、聞き流してもらっても、田代さん止まりでも構わないんで。実は、つい最近、また血縁が”発掘”されましてね。それも、前回と一緒で、高校に上がったばかりの娘っ子でしたわ」
何と、会長はケイコにまで言及するのかよ!
...
案の定、田代さんの表情はさらに険しくなってきたな…
「…今度のはどうも、”目つき”の遺伝はなかったようだが、やはりエライじゃじゃ馬でしたわ。それでですな、まあ偶然だろうが、わしの血縁どうしで大ゲンカしでかしましてね。そんで、後の子もえらいタマだったので、最初のと”同様”に面倒見ていくつもりなんです。とりあえず、両方ともこの剣崎にお守は押しつけてるんだが、こいつも何かと用が増えちまって、他にも組のもんを付けてやらんといかんとも考えとります。ハハハ…」
参った…
この情勢下、次の血縁娘まであからさまに”関東”へぶちまけてしまうとは
これでは一種の挑発に受け取られる
それを会長は読み込んだ上だろうが
で、この場での会話の流れに於ける前後の文脈を捉えれば、再びガキを前面に立てて行動となった場合、関東と相和会はガキ同士での代理戦争という共通認識になる
まさか、相馬豹一は、それを今から想定しているのか…!
剣崎
「アハハハ…、いつもながらだが、相馬さんの話は刺激になる。まあ、今日はせっかくお会いできたんだ。有意義な情報交換をさせてもらいましょう。で…、こっちからだが、坂内さんとことの枝である諸星がガキを使ってシノギを得るっていう従来からの持論だが、我々としては、このご時世に至り、今後は”行ける”と読んでますよ。以前は、ヤツが在○ってことで、やくざのプライドもかなぐり捨てた汚れ仕事だとバカにしとったが、時代は変わった。ここまでこの国が繁盛してるとあっては、ガキの落とすゼニもバカにならんでしょう」
なるほどな
そうきたか…
ということは…
...
「…なら、我々の世界もそこに喰いこんで、いっそこちらに都合の良い仕組みを作っちまって、まあ新しいシノギのマーケットとして仕切れればとね…。そちらが長年実践してきた、縄張りからショバ代の集金を自粛する埋め合わせも可能だ。…この考えはですよ、関西も持っとりますよ。我々としては、昔からガキをかじるノウハウを持つ諸星を試験台にして、今から試行錯誤をと思ってるんですわ。時代は急速に変化していますからね。我らの業界だって旧態依然の頭のままじゃ、その流れに取り残される。まずはそう思いませんか?」
「同感ですな。ここで、こっちからもまずは伺いましょう。今回、星流会にガキをおっぺさせたのは、その試行錯誤の一環というこってですかね?」
おお…、会長は田代組のトップに正面から問い質したぞ
ふう‥、体調は優れないとはいえ、肝心な攻めの機は決して逃さない
凄い…
...
「…まあ、そう思っていただいて結構です。あなたの言わんとするところは承知しているので…」
「なら、そう言うことでこのデキの悪い頭に刻まさせてもらいましょう。諸星がこっちの”庭”を使って市場実験を目論んだと…。それを、”あなた方”が黙認というより、やらせたと…。いいですな?」
この場は一気に緊張感が走った
今日の会長は”攻め”に妥協がない
言うまでもなく相手は関東直系だ
田代さんにブチ込んだ”言葉”という弾丸は、その後ろに控える巨大な関東本家に向かって公言したことになるんだ
そんなことを十分承知してる会長が、この展開局面でこうビシッと詰め寄った真意はどこにあるのか…
...
「…相馬さん、さすがに今のお尋ねには”オフコース”とは言えん。私にもそれなりの立場があるもんで。そちらが言う、この業界の大手の看板で生きている生身のモンとして、ひとつ汲んでもらいたい」
「…では、わしの伝言だけは”看板の主”に持ち帰ってもらいましょう。”次”は今回の対応で留まるつもりは毛頭ない。この言葉だけでよろしく願います」
「わかった。その言葉、”正確”に持ち帰るとしましょう、相馬さん」
「すまんですな。今夜の本題じゃないのに、余分な用を押しつけてしまって…」
「いやいや‥、互いにできる範囲の意思疎通はこれからも図りたいですしな」
「同感だ。では、ついでと言っては何だが、もう一つこっちのことも直近で申し上げましょう。まあ、これは雑談の延長なんで、聞き流してもらっても、田代さん止まりでも構わないんで。実は、つい最近、また血縁が”発掘”されましてね。それも、前回と一緒で、高校に上がったばかりの娘っ子でしたわ」
何と、会長はケイコにまで言及するのかよ!
...
案の定、田代さんの表情はさらに険しくなってきたな…
「…今度のはどうも、”目つき”の遺伝はなかったようだが、やはりエライじゃじゃ馬でしたわ。それでですな、まあ偶然だろうが、わしの血縁どうしで大ゲンカしでかしましてね。そんで、後の子もえらいタマだったので、最初のと”同様”に面倒見ていくつもりなんです。とりあえず、両方ともこの剣崎にお守は押しつけてるんだが、こいつも何かと用が増えちまって、他にも組のもんを付けてやらんといかんとも考えとります。ハハハ…」
参った…
この情勢下、次の血縁娘まであからさまに”関東”へぶちまけてしまうとは
これでは一種の挑発に受け取られる
それを会長は読み込んだ上だろうが
で、この場での会話の流れに於ける前後の文脈を捉えれば、再びガキを前面に立てて行動となった場合、関東と相和会はガキ同士での代理戦争という共通認識になる
まさか、相馬豹一は、それを今から想定しているのか…!