再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「もちろん産んでほしいに決まってる」
妊娠を告げられたとき、真っ先にうれしさが込み上げた。けれどその中にほんの少しの驚きと動揺が交じっていたのも事実。
千晶を抱くときは必ず避妊をしていた。でも百パーセント安全だとは限らない。
それに頻繁に体を重ねていたのだから妊娠という可能性だって有り得なくはないのだ。
「千晶、結婚しよう」
子供ができたからではなくてもともとそのつもりでいたし、千晶にも以前そんな俺の気持ちは伝えている。
「はい」
千晶の瞳にじわじわと涙が溜まっていく。
「泣かなくていいよ」
親指でそれを拭うと千晶の瞳からぽろぽろと涙がこぼれて頬に伝った。
余計に泣かせてしまったらしい。そんな彼女の頭を胸元に引き寄せてぎゅっと抱き締めた。
千晶も子供も俺が必ず幸せにするし守っていく。
そんな決意を胸にしたとき、重要なことをひとつ忘れていたと気が付く。
「……マズいな」
思わず口からぼそっとこぼれた声。それを聞き逃さなかった千晶が俺の胸の中で不思議そうに首を傾げた。
「マズいって、どうしたの?」
「ん~」
千晶の髪を撫でながら苦笑を浮かべる。
「佐波さんに今度こそ投げ飛ばされるなと思ってビビってる」