再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「加賀美さんが来てくれてよかったです。お忙しいのに今日はありがとうございました」

「佐波さんにはだいぶお世話になったから。これからも時間があるときは顔を出すようにするよ」


加賀美さんがゆっくりとした足取りで歩き出す。そのあとを私も続いた。


「そういえば千晶ちゃんはどうやってここまで来たの?」

「電車です。うちからだとこの病院は距離があるので」

「じゃあ俺の車に乗っていきなよ。送るから」

「いえ、そんな。申し訳ないです」

「遠慮しなくていいよ。ほら、雲行きも怪しいし雨が降るかもしれない」


加賀美さんが空を見上げるので私も同じ方向に視線を向けた。

確かに、どんよりとした雲が浮かんでいる。

さっきまで晴れていたし、天気予報では雨が降ると言っていなかった。だから傘を持ってきていない。


「向こうの駐車場に車停めてるから」

「ありがとうございます」


ここは有難く加賀美さんの申し出を受けることにした。

駐車場にはホワイトカラーのSUV車が停まっていて、加賀美さんが助手席の扉を開けてくれる。私が乗り込むのを待ってから扉を閉めた彼は運転席側に回り、自身も乗り込むとシートに腰を下ろした。

それから片手でシートベルトを引き出してバックルに差し込んだあと、慣れた手つきでエンジンをかける。


< 15 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop