再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「おめでとう」

「……え?」


予想外の言葉に目を見開く。俺を見つめる佐波さんの瞳が微かに潤んでいることに気付いた。


「手術を受けて本当によかった。まさかこんなに早く孫の顔が見られるなんて。生きていてよかった」


佐波さんが服の袖でごしごしと目元を拭う。どうやら泣いているらしい。

その反応に俺と千晶は目を見合わせた。

ティッシュを差し出すと、佐波さんが豪快に鼻をかむ。

怒ってはいないようだけど、ひと言告げて頭を下げた方がいいだろう。


「佐波さん。順番が逆になってしまい申し訳ありません」

「いや、そこは気にしてない」


下げていた頭を上げると佐波さんは静かに首を横に振った。


「加賀美くんは千晶と結婚するつもりで交際をしていたんだろ」

「はい、もちろんです」

「千晶も同じ気持ちだったのか」


佐波さんの視線が千晶に向かい、彼女が深く頷いた。それを見た佐波さんがにこっと微笑む。


「それならなんの問題もない。加賀美くん、千晶のことをよろしく頼む」


あぐらをかいていた佐波さんが正座に座り直す。そして膝の上に両手をついて深く頭を下げた。


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