再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「千晶」
彼の手が私の頬にそっと触れて、くいっと上を向かせられる。近付いてくる顔に目を閉じると唇を塞がれた。
唇を当てたり離したりと啄むような優しいキスを交わしながら次第に体の力が抜けていく。
「んっ……」
思わず声が漏れたところでようやく英介さんの唇が離れた。
頬に添えられていた彼の手が私の頭にぽんと乗っかる。顔を覗き込んできた彼が優しく目を細めて微笑んだ。
「千晶はなんの心配もしなくていいよ。俺がいるんだから」
「うん」
とっさに彼の背中に両手を回してぎゅっと抱き着いた。
「私、英介さんのご両親に結婚を反対されても負けずに食らいつくから」
彼の腕の中で顔を持ち上げて優しい瞳をじっと見つめる。
英介さんはきょとんとした顔を浮かべていたが、ふっと口元を緩めて微笑んだ。
「反対なんてされるわけないから大丈夫」
「そんなのわからないよ」
「わかるよ」
英介さんの腕に再びぎゅっと抱き締められたとき、私の背後にある窓からコンコンとノックの音が聞こえた。
彼の腕が離れて、私は後ろを振り返る。すると、艶のある黒色のロングヘアの女性がにこにことした笑顔を浮かべてこちらを見ていた。