再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「英ちゃーん。車の中でラブラブしていないで早く家に上がっておいで」
英ちゃん……?
英介さんのことだと思うけど、この女性は誰だろう。
それよりも彼女は私たちが車内で抱き合っていたのを見ていたのだろうか。キスをしていたのも?
ぶわっと全身が沸騰したように熱くなる。すると英介さんから短い溜息が聞こえた。
「盗み見するなよ」
照れたように頬を染めてわしゃわしゃと髪をかき回す英介さん。その視線は窓の向こうで微笑んでいるロングヘアの女性に向けられている。
「一番上の姉の司だよ」
「お姉様⁉」
ここにくる途中、英介さんの家族構成を教えてもらった。三人姉がいて、英介さんは末っ子長男らしい。
ロングヘアの女性――一番上のお姉様の司さんと目が合い、ぺこりと頭を下げた。
「降りるか」
英介さんに促されて車を出る。すると司さんが私に飛びついてきた。
「きゃー、かわいい。あなたが英ちゃんの奥さんになるのね。初めまして、長女の司です」
私にぎゅっと抱き着いてくる司さんは英介さんと同じくすらりと背が高い。私とは違い、羨ましいほどの豊満なバストに顔が押しつぶされそうだ。
熱烈な歓迎はうれしいけれどちょっと苦しい。