再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「やめろって。千晶に負担かけるなよ」
英介さんが司さんの腕を引っ張って、私から彼女の体を離してくれた。
すると司さんはパッとなにかを思い出したのか、労るように私の両腕をさする。
「そうだった。妊娠しているのよね?」
「えっ、……はい」
英介さんが事前に伝えていたのかもしれない。
「こんなところで立ち話していないで家に入りましょう。両親が首を長くして千晶ちゃんを待っているわよ」
「そ、そうなんですね」
司さんに手を繋がれて先導されるように敷地内を移動する。とりあえず司さんには受け入れてもらえたようで安心した。
その後、英介さんのお父様とお母様にも会ったのだけれどふたりとも私を歓迎してくれているようで、すでに英介さんの妻として扱ってくれた。
結婚の挨拶はあっさりと終わり、ちょうど正午ということもあってお昼をご馳走になる。
ここに来る車内で吐きそうなほど緊張していたのに。どうやら余計な心配だったようだ。
きっと英介さんが事前に私のことをしっかりとご両親に伝えて、結婚の承諾はすでに貰っていたのだろう。
快く受け入れてもらえて感謝している。
けれど今、私はとても焦っている。
「さぁさぁ千晶ちゃん、お腹の子供の分までたくさん食べるんだよ」
「いえ、お義父さま。自分でできますので」