再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「でもよかったですね。千晶ちゃん、しばらく会えなかったお母さんに会えるんだから」
「そんな感動的な話じゃないんだ」
千晶も母親に会いたいと思っているなら感動的な再会だ。でもそうではなくて千晶は母親との再会を望んでいない。
だったら会わなければいいが、そんな単純なことでもなくて。
会いたくないと言ってはいるがおそらく千晶は会った方がいいとも思っている。そのふたつの気持ちで葛藤して悩んでいるからこそ、母親が出てくる夢を見てはうなされているのだろう。
「じゃあ俺は今日こっちだから行くな」
「はい、お疲れさまでした」
「お疲れ」
駅に到着してから挨拶を交わし、及川とは乗る路線が違うため改札をくぐったところで別れた。
電車に乗って向かったのは新宿にあるホテル。
そこのラウンジで待ち合わせをしているのは千晶の母親だ。
彼女の秘書ふたりが千晶に接触してきた日に俺も一応彼らの名刺を受け取ったので連絡をとり、俺ひとりで千晶の母親と会う約束をしていた。
千晶の母親は先に到着していたようで窓際の席で俺の到着を待っていた。
「お待たせしてすみません」
「いいえ、私が早く着きすぎたの。まだ時間になっていないわ」