再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
涼しげな白のスーツを着こなす女性が千晶の母親だ。
座っていてわかりづらいがおそらくこの年代の女性の平均身長よりは背が高いと思う。全体的にさっぱりとした顔つきは千晶とは似ていない。たぶん千晶は父親である佐波さん似なのだろう。
対面のイスに腰を下ろして、深く頭を下げた。
「初めまして、千晶の夫の加賀美英介と申します。本日はお忙しい中お時間を作ってくださりありがとうございます」
「雪代晶子です。こちらこそ、私と会ってくれてありがとう」
そう言って千晶の母親はメニュー表を俺に手渡した。
「好きなのを選んで。ここの支払いは私がするから」
「いえ、自分で」
「そ。じゃあお互い自分の分は自分で払いましょう」
見た目と同じくさっぱりとした性格の人だが、まだ子供だった千晶を置き去りにして家を出ていくほどの冷酷さは感じられない。
なにかよっぽどな理由があったのかもしれない。
それぞれ頼んだ飲み物がテーブルに届いてから千晶の母親がおもむろに口を開く。
「今回の件は本当に申し訳ありませんでした」
そう言って深く頭を下げた。
「すべて私のせいなの――」
どうして秘書ふたりがこっそりと千晶の居場所を調べてあとをつける迷惑行為に至ったのかを千晶の母親が詳しく説明してくれた。