再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
最初のきっかけは秘書のひとりであるシルバーフレームの眼鏡の男が三月に挙げた挙式だったそうだ。それに参列していた千晶の母親は、花嫁が両親に向けた手紙を読んでいるのを聞きながらふと千晶のことを思い浮かべたらしい。
「千晶もそろそろ結婚するような年齢なんだなと思ったら、あの子に会いたくてたまらなくなった。自分から家を出たのにむしがいい話よね」
千晶の母親が自嘲気味な笑顔を浮かべる。
「確かにそうですね。自分勝手だと思います」
俺がはっきりと自分の意見を伝えると千晶の母親は「そうよね」と悲しそうに笑った。
「だから会いたいと思っても実際に会おうとは思わなかった。でも私が娘に会いたいって呟いたのを聞いた秘書たちが私に内緒で千晶のことを調べていたの。それで、千晶の行動を私に報告してくれるようになって」
「報告? じゃああなたは今回の件を把握していたんですか」
「ええ、途中から」
この前の秘書たちの話によると、彼らは社長には内緒で千晶のことを調べてあとを追っていたと言っていた。だから今回の件は秘書たちが独断で動いていたと思っていたが、今の話を聞くと千晶の母親も途中からは知っていたらしい。そこで秘書たちの行動を止めてくれたらよかったのだが。
もしかして彼らが千晶を尾行しながらスマートフォンでどこかに連絡を取っていた相手というのは千晶の母親だったのかもしれない。