再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「それよりも千晶ちゃん。手で大事に掴んでいるものを渡さないと」
「あっ」
バランスを崩して落ちてしまったけれど、手の力だけは緩めずにしっかりと風船の紐を握っている。
「はい、どうぞ」
風船を男の子に手渡すと、満面の笑みを返された。
「ありがとうお姉ちゃん。あとお兄ちゃんも」
「転んじゃったけど大丈夫?」
男の子たちが心配そうに見てくるので「大丈夫だよ」と笑ってみせた。
加賀美さんも頷いたあと、風船を飛ばしてしまった男の子の頭にそっと手を乗せる。
「もう手を離すなよ。しっかりと持って家に帰ること」
「わかった」
男の子が頷く。そして、もうひとりの男の子と走りながらこの場を去っていった。
元気な背中を見つめていた加賀美さんが「走って転ぶなよ」と声をかける。その目は優しく細められ、穏やかな表情を浮かべていた。
「よかったですね、風船が取れて」
声をかけると、彼はハッとしたように振り向く。
「千晶ちゃん、本当に怪我してない? 俺があんな提案をしたせいで」
「大丈夫です。加賀美さんこそお怪我はないですか」
「俺は頑丈だから平気」
唇にゆったりと弧を描く加賀美さんの笑顔を見て、思わず頬がほんのりと熱くなる。