再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「ほら、前に千晶のことをしつこく食事に誘ってきたっていう人」

亀山(かめやま)さん?」

「そうそう。その人だったりして」


亀山さんは人材派遣会社に勤める男性で、私が担当している求人情報誌に定期的に求人募集の広告を出してくれるお得意様だ。

眼鏡をかけた三十代後半の男性で、良く言えば気さくで話しやすく、悪く言えば馴れ馴れしい。どう接していいのかわからなくて私は少し苦手だ。

亀山さんは若い頃に結婚をして子供もいるが、数年前に離婚をして奥さんと子供とは別々に暮らしているらしい。

そんな亀山さんと打ち合わせで会うたびに食事に誘われるようになったのが半年前。もちろん丁重にお断りしていたのだけれど、食事に行かないと契約を切ると脅されるようになった。

透子に相談したところ主任に話してみた方がいいと言われて亀山さんとのことを打ち明けた。

部下想いで行動力のある主任が亀山さんのもとへさっそく出向いてくれて、こういったことは困るとはっきりと伝えてくれた。

話し合いの結果、亀山さんの会社は契約を切ることもなく、私は担当から外してもらった。そうして無事に解決。

あれから亀山さんとは顔を合わせていない。

でも、もしかしてあのときのことを根に持たれていたのかも……。


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