再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
突き放すような加賀美さんの言葉に及川さんがわざとらしくショックな顔を作る。
「ほら、早く行かないと」
呆れたような加賀美さんの声に促されて、及川さんは渋々といった様子で私たちに背中を向けた。
「俺のカレー残しておいてくださいね」
私たちに手を振ると及川さんは駅の方に向かって走っていった。
「なにかあったんですかね」
おそらく仕事の関係で呼び戻されたのだろう。事件かな?
遠ざかっていく背中を見送っていると「まぁ常になにかは起こっているからな」と加賀美さんの冷静な呟きが聞こえた。
「カレーお裾分けしてあげましょうか」
とても食べたそうにしていたので提案すると「そうだな」と加賀美さんがふっと笑った。
帰宅後、買った食材を冷蔵庫に入れる。
加賀美さんには先にシャワーを浴びてもらい、その間に夕食の支度に取り掛かった。
カレーは子供の頃に父のために初めて作った料理でもある。
あの頃は切った野菜と肉を炒めて市販のルーを入れただけのごく普通の味だった。それでも父が美味しい美味しいと食べてくれたのがうれしかった。
もっと美味しいのを作ろうと市販のルーに隠し味を加えたりして自分なりのカレーを生み出したのだ。
それを今日初めて加賀美さんに食べてもらうのだけどお口に合うだろうか。