再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


ここ最近は時間が許す限り病室を訪れて父の説得を続けている。

主治医の先生や看護師さんも熱心に説明をしてくれるけど、頑固者の父は頑なに手術を拒み続けていた。


「手術をしても意味はない。それなら受けたくない。その一点張りで、私ももう困ってしまって」


さっきも聞く耳を持ってもらえなかった。もう帰ってほしいと拒絶されて追い出されてしまったし。

すっかり気落ちして生きる気力を失っている父をどう説得したら前向きな気持ちにさせることができるのだろう。


「お父さんに手術を受けてほしいのに……」


コーヒーの入ったカップを両手でぎゅっと握り締めた。


「佐波さんはこれからなにかやりたいことはないのかな」


静かに私の話に耳を傾けていた加賀美さんがふと口を開く。


「無事に退院して元気になったらやってみたいことがあると、この先の人生にも希望が持てる。まだまだ生きたいと思うだろ。そうしたら手術を受けようって気持ちになるかもしれないよ」

「なるほど」


加賀美さんの一言に一筋の光が見えた気がした。

でも、父のやりたいことってなんだろう。

仕事を生きがいにしていた人だ。釣りが趣味だけどそこまで没頭しているわけではないので、まだまだ生きたいと思う理由として弱い。

他になにか父がこの先の人生に希望が持てることって……。

そう考えて、前回お見舞いに来たとき父がぽつりとこぼしていた言葉をふと思い出す。


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