再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「でも大丈夫なんです。父の場合は内視鏡を使った手術でガン細胞を除去すれば完治できるかもしれないと主治医の先生が言っていたので」


定期的に受けている健康診断で胃の一部に炎症があり、精密検査の結果ガン細胞が見つかったのは先月のこと。

胃の粘膜よりもガン細胞が下に達している場合は開腹手術が必要になるけれど、主治医の先生の診察によると父は病変が小さいので粘膜内に収まっている可能性が高いらしい。

それだと内視鏡を使った手術で粘膜を薄く焼き、問題の箇所を取り除けば完治できるそうだ。


「だから父は今すぐ命にかかわるほど深刻な状態ではないんです」

「そっか、よかった。いや、よくはないか。どちらにせよガンを取る手術は必要だから」


私の説明を聞いてほっとしたように息を吐いた加賀美さん。けれどすぐにまた険しい表情に戻ってしまった。


「その手術はいつするの?」

「それが……」


加賀美さんの問いに私は口をきゅっと結んでうつむいた。


「受けたくないと言っているんです、手術」

「どうして?」

「動揺しているんだと思います。健康だけが取り柄みたいな人だったから自分がガンだとわかって絶望しているというか、気持ちが後ろ向きになっていて。手術をしたところで治らないと思い込んでいるんです」


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