再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


その日は仕事終わりに父が入院している病院に立ち寄ることにした。

手術をしないとごねていたときと比べて顔色もいいし機嫌もいい。

ベッド横のイスに腰を下ろすと、さっそく父が声をかけてくる。


「千晶。加賀美くんをどう思う?」


ベッドに座る父がにやにやと笑っている。


「どう思うって、どういう意味?」


質問の意図がわからず聞き返すと父はいっそう笑顔を深くした。


「やっぱりいいやつだよな、加賀美くん」

「うん、そうだね」


むしろ親切すぎるくらいだ。

加賀美さんの自宅に暮らすようになって二週間以上が過ぎた。

恋人関係になってからは数日が経過している。

父にはまだ加賀美さんとの関係に変化があったことを伝えていない。それだけではなくて、知らない男の人たちにあとをつけられたことも話していない。

手術を控えているので余計な心配をかけさせたくないから。

父はこほんと咳払いをして改まったように口を開く。


「いいか、千晶。もう知っていると思うが加賀美くんはいい男だ。そして独身。彼女はいない。たぶん」

「うん?」


ますます父がなにを言いたいのかよくわからない。

それに、加賀美さんの彼女ならここにいるんだけど……。


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