再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「加賀美くんは仕事もできるし将来有望。きっと出世コースに乗っているだろうから、未来の警視総監も夢じゃない」

「そうなんだ」


とにかく加賀美さんがすごい人だというのを私に自慢したいのかな。そんなこと父に教えてもらわなくても知っている。

だんだんと父との会話が面倒になってきた。


「加賀美くんが警視総監になれば親子二代に渡って警視庁のトップか。そうなったらすごいよな」

「ふーん……って、え⁉」


軽く聞き流そうとしたが、思わずイスから身を乗り出す。


「親子ってどういうこと?」

「なんだ千晶は知らなかったのか。お前はもっとニュースを見た方がいいぞ。今年新しく警視総監に就任したのは加賀美くんのお父さんだろ」

「そうなの⁉」


知らなかった。

加賀美さんのお父さんってすごい人だったんだ。

初めて知った事実に腰を抜かして、力が抜けたようにイスにすとんと腰を下ろす。

加賀美さんのお父さんが警察官だというのは聞いたことがあって前から知っていた。でも、警視庁のトップを務めるほど優秀な人だったとは……。

そのあとも父から加賀美さんのエリート振りを永遠と聞かされて、一時間後にようやく病室を出ることができた。

父親が警視総監で、自身も優秀な警察官僚である加賀美さんの彼女が私なんかでいいのかな。

そんな不安を植え付けられて病院を後にする。

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