猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
 一陣の風が吹き抜けた。
 風――そうだ、風だ。

 風のように走り、アリアナをかばうように抱きしめたのは、最近見ることのなかなかできなくなった、輝かしい金の髪をした青年だった。

 ゆるりと顔をあげ、秀麗な顔をした青年が、その顔に剣呑な色を浮かべて女生徒たちを見据える。

「誰が、誰にふさわしくないって?」
「ふ、フリードリヒ王太子殿下!」
「君は今、アリアナに手をあげようとしたね?この学園では暴力は禁止されている。そうでなくとも相手に手をあげる行為は人としてありえない。申し開きがあるなら聞こうか」
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