人生模様

嘆き

学校の門を出ると、達也が迎えに来てた…。


本当は…。泣いて、怒って許したかったんだ…


でも…。この時の私には出来なかった。


「達也!待った?」


「大丈夫…舞、ごめん…」

「何が?」


「何が?って…昨日の事…あいつがさ、勝手に電話に出て…。」


人のせいかよ!って心でつぶやいた


「気にしてないって!それよりさ…舞ね…もしかしたら…。赤ちゃん出来たかも?」


「え…」


言葉を詰まらせ、明らかに困った表情を見せた…


「もちろん産むから!」


「あのな…舞…」


「達也言ったよね〜?結婚しよう!って」


「言ったよ!でも今は…」

「舞!決めたから!逃げるつもり?」


「逃げねぇよ…」


「じゃ!ちゃんと働いて、ちゃんとしてね!」


達也が困れば、困るほど、優越感でいっぱいになった

心の中では嘆いてた

出会った頃に戻りたい


素直に、達也を愛せてた自分に戻りたい


でも、こんな私にしたのは達也なんだよ…。


二つの思いが、ぶつかりあって苦しかった…


天使にも、悪魔にも、なりきれない自分がいた…
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