その恋、まぜるなキケン

遮断

旭が真紘に『また会えないか』と連絡をしたのは、彼が綾人から忠告を受けてからすぐのことだった。


まさか2人が接触していたとも知らない真紘は、こうして旭と連絡がとれていることが純粋に嬉しい一方で、綾人から聞いた2年前の殺人事件のことがずっと心の奥で引っかかっていた。


旭が殺人なんてするわけがないと信じることはできるのに、彼が警察からマークされるような存在だという事実が思いの外重く彼女にのしかかる。


〝ショック〟とはまた少し違うが、真紘は複雑な心境だった。


それでもやはり気持ちの大きさではこうして旭と再び繋がることができた嬉しさや楽しさという感情の方が勝っていて、真紘は家を出る前に何度も鏡で自分の姿を確認していた。


それくらい楽しみにしている自分がいた。
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