ー野に咲く花の冒険譚ー
「どうして,私を捨てたの? まま」
リリィに向けられた声にチラリと見ると,まるで理解してないかのような動作を取るリリィ。
「怖いって,嫌だって,助けてって言ったのに。私達が連れていかれるの,どうして止めてくれなかったの。攻撃しちゃいけないって言うから私達,ちゃんといい子に我慢したのに」
えぇ~? と本気で困っていそうで薄情そうな声を出したのはリリィだ。
いつか聞いた話を思いだし,僕は点と点を繋いでいく。
身近な問題から,時系列が組立っていく。
あの真っ赤なバラも,被害者なのだ。
それを分かって,あの中年の男は愛を謳い利用している。
「アモーレ リリィ,特攻しよう」
あいつとのお喋りはこれで最後。
あの花の始末も,リリィを背負った僕の義務なのだ。
1歩踏み出す。