「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「もしかして、あなた? ねえ、あなたなの? あなたなのよね?」

 彼女はズカズカと近づいてきた。

「なんてことかしら。まさかこんなところで会うなんて」

 しかも両腕を上げ、わたしを叩こうとしている。いいえ。殴ろうとしているかもしれない。

 たしかにそうされても仕方がないかもしれないけれど、初対面でいきなり物理的な攻撃って……。
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