「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「だから、やめろってイザベル」
「イザベル、ランが圧死してしまう」

 チャーリーとチェスターが、文字通り彼女をわたしから引き剥がしてくれた。もしもそれがもうすこし遅かったとしたら、死んでしまったかもしれない。

 それほど苦しかった。

「やだ。わたし、またやってしまったわ。うれしくってつい」
「だから会わせたくなかったんだ。すくなくとも、興奮しないような状況で紹介したかったのに」

 チャーリーがやさしく抱いてくれ、やっと息を整えることが出来た。

 わたしがチャーリーの愛する人と思い込んでいたのは、彼の同腹の妹だった。
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