「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 彼女は、ふだんは社交の場からいっさい遠ざかっているらしい。その美しさゆえに、世の貴公子たちの目に触れさせたくないからである。といえばきこえがいいけれど、じつは彼女はチェスター一筋らしい。そして、チェスターも彼女を愛しているとか。相思相愛の二人は、あとはタイミングという状況らしい。

 が、チェスターの実家の状況が好転するまで、彼は結婚に踏み切れないとか。

 彼女、つまりイザベルは、チャーリーにチェスターの尻を叩いてはやく自分にプロポーズするよう説得してほしいと頼んでいたらしい。

 東屋で見たのは、それを頼んでいる途中だったというわけ。

 はやい話が、わたしはまったく見当違いの勘違いをしていたのである。
< 199 / 227 >

この作品をシェア

pagetop