「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
『悪女になる決意をしたわたしでもいいの?』

 そう尋ねたとき、彼は『そのほうがいい』というようなことは言ったけれど、それ以上の詳しいことはいっさい言わなかった。

 きつい性格の王族のレディたちに対抗する為には、こちらの性格も同様にきつい方がいい。

 というようなことを。

 まあ、彼は嘘をついたわけではないか。だから、だまされたわけではない。

 情報のすべてを伝えていなかっただけ、かしらね。

 それでも、ちゃんと伝えてくれていたら、こちらもそれなりに心の準備をしていたのに、それをしていなかった。

 だけどまあ、いいんだけど。
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