君を思い出す季節
「ありがとうございましたー!」

「なぎー!」

部活終わりに走って声をかけてきたのは希美だ

「希美!おつかれ!」

「今週の土曜どうする?祭り!」

「部活のあと模試あるんでしょ?何時くらいに終わる?」

「多分5時くらいまであるんだよねー」

「じゃ、5時半駅集合しよ!」

「おけ!楽しみー!!」

今週の土曜日私たちはお祭りに行く約束をしている

午前は部活で、ほんとは浴衣着る予定だったんだけど、部活の後希美は塾の模試があって、家に帰れないから私服で行くことになった

希美は部活の中で初めて友達になった子だ

部活で最初グループでダンスを作ることになって、そのグループが一緒になったのだ

優しくて、おっとりしていて、よく周りを見ている

流行には敏感なタイプでおしゃれで可愛い子だ

1番気の合う友達だと思う

「何食べよっかなー」

「やっぱりんご飴でしょ」

「えー最初はかき氷だよー」

そんな話をしながら更衣室に行く

「あ」

希美が白い頬を紅潮させて小さく声を上げる

川口先輩だ

希美は同じ委員会の川口透先輩が好きらしい

でも奥手な希美はアピールできなくて悩んでいる

先輩は希美に軽く手を振り、希美は会釈した

「あー今日もかっこいい、、」

人気だけど塩対応で有名な先輩が手を振ってるのは貴重だ

脈ありだと思うんだけどなぁ

以前希美にそう伝えたら希美はそんなことないって全否定してたけど

いいなーこういう感じ

とか思いながら着替えて帰った
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