甘い香りが繋ぐ想い
1616年 4月16日

22歳の若さで出家し、信松尼となった松姫は静かに息を引き取った。享年56

強く、優しく、愛情深く、凛とした女性。

多くの人々が松姫の死を嘆き悲しんだ。


松姫が亡くなり、それでも信忠の魂は生き続ける。

親兵衛の肉体にも寿命はある。命が尽きると別の誰かの肉体に入れ替わる。そうやって何人もの肉体を渡り歩いてきた。もう400年だ。

いつ現れるとも知れない想い人を、待ち、探しながら、今、西門遼河として生きている。

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