甘い香りが繋ぐ想い
芽生えた恋心
真夢が研究室を出て行ってから、一度も顔を合わせていない。意図的に避けているふしもある。
信じてくれとは言っていたが、日が経ち、冷静になって考えた真夢にとって、やはり受け入れられない話だったのかも知れない。
全てを聞かなかったことにしようとしているのではないか。もしそうだとしたら、それでも構わない。
真夢は若い。将来もある。42歳の遼河とは歳も離れ過ぎている。もし、松姫の生まれ変わりだったとしても、この複雑な人生に付き合わせてはいけないのではないか。
気持ちが大きく揺れる。
だが、"絶対信じてくださいね" その言葉が、芽生えた懸念を吹き飛ばした。
三雲真夢、いったい君は何を考えているんだ?
真夢のことが気になって仕方がない。
いてもたってもいられず、少しだけ真夢のことを調べてみた。教授としての立場で調べられる範囲は限られているが、真夢のことを何も知らないという今の状況を、少しでも打破したかった。
教育学部・特別支援教育専攻・成績優秀で奨学生・寮で生活している
以上だ。
たったこれだけの情報だが、真夢が松姫のように聡明で、芯のある女性だということが想像できる。
この大学は奨学生の審査基準がかなり厳しい。その審査をクリアし、実際奨学生となる学生は稀だ。その中の一人である真夢は群を抜いて優秀であるというこということだ。
真夢のことをもっと知りたいと、欲が出てきてしまった。
つい、真夢の姿を探してしまう。そんな自分自身が滑稽でならない。
大学校内で何度か見かけるが、たまに、遼河(信忠)のゼミ生だった北原瑠璃と話している姿を目にすることがあった。
MRの瑠璃が大学に来るのは仕事のためだというのは理解できる。しかし、年の差もある真夢との関係は理解できなかった。
信じてくれとは言っていたが、日が経ち、冷静になって考えた真夢にとって、やはり受け入れられない話だったのかも知れない。
全てを聞かなかったことにしようとしているのではないか。もしそうだとしたら、それでも構わない。
真夢は若い。将来もある。42歳の遼河とは歳も離れ過ぎている。もし、松姫の生まれ変わりだったとしても、この複雑な人生に付き合わせてはいけないのではないか。
気持ちが大きく揺れる。
だが、"絶対信じてくださいね" その言葉が、芽生えた懸念を吹き飛ばした。
三雲真夢、いったい君は何を考えているんだ?
真夢のことが気になって仕方がない。
いてもたってもいられず、少しだけ真夢のことを調べてみた。教授としての立場で調べられる範囲は限られているが、真夢のことを何も知らないという今の状況を、少しでも打破したかった。
教育学部・特別支援教育専攻・成績優秀で奨学生・寮で生活している
以上だ。
たったこれだけの情報だが、真夢が松姫のように聡明で、芯のある女性だということが想像できる。
この大学は奨学生の審査基準がかなり厳しい。その審査をクリアし、実際奨学生となる学生は稀だ。その中の一人である真夢は群を抜いて優秀であるというこということだ。
真夢のことをもっと知りたいと、欲が出てきてしまった。
つい、真夢の姿を探してしまう。そんな自分自身が滑稽でならない。
大学校内で何度か見かけるが、たまに、遼河(信忠)のゼミ生だった北原瑠璃と話している姿を目にすることがあった。
MRの瑠璃が大学に来るのは仕事のためだというのは理解できる。しかし、年の差もある真夢との関係は理解できなかった。