冷徹ホテル王の最上愛 ～天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました～
ホテル九条東京の大ホールは、国際会議も開催できる豪華で大規模な宴会場だ。

普段、結婚式の披露宴が執り行われることの多いこの場所に、今日はたくさんの報道陣が詰めかけている。
　
来年春に新しくオープンする予定の、ホテル九条宮古島都内レセプションパーティが開かれているからだ。

ホテル九条宮古島は、宗一郎が副社長に就任してからはじめての新規ホテルである。
　
招かれたのは、国内外の雑誌記者や、芸能人、現地自治体関係者……。

当初想定していたよりもたくさんの人数が詰めかけたのは、アンバサダーとして美鈴が出席するからだ。
　
普段こういったパーティでは見かけない週刊誌の記者もいる。

ＳＮＳ上で話題になっている宗一郎との熱愛をスクープできないかと狙っているのだろう。
　
宗一郎からの思いがけない告白から一週間が経ったこの日、日奈子はホテルスタッフとして、レセプションに参加している。
　
宮古島の雄大な自然を映す大きなスクリーンを背に、宗一郎がゲストに向かってホテルの紹介をしている。

優雅で堂々とした風格に、日奈子はあの夜の出来事は夢だったのではないかと思っていた。あの夜以来、一度も彼とは連絡を取っていないから尚更だ。
　
宗一郎の演説が終わると音楽が切り替わりアンバサダーとして美鈴が紹介される。
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